【レビュー】mol-74 Mini Album「▷(Saisei)」は美メロと透明感そして喪失感のある1枚

mol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)が2018年1月17日にリリースしたNew Mini Album「(Saisei)」は美メロと凛とした透明感、そして喪失感を詰め込んだ1枚だった。
これまでのmol-74の良さをさらに高めたアルバムだった。2018年、くるんじゃない、これ。

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mol-74 Mini Album「(Saisei)」

(Saisei)

収録曲

  1. ● (Fanfare)
  2. ▷ (Saisei)
  3. ▷▷ (夜行)
  4. | | (Frozen Time)
  5. ◁◁ (瞼)
  6. □ (StarT)

2018年1月17日にリリースした全6曲入りのNew Mini Album「▷(Saisei)」。

曲のタイトルは()の中で、それぞれリモコンのボタン記号がついている。
「Fanfare」は録画、「Saisei」は再生、「夜行」は早送り、「Frozen Time」は一時停止、「瞼」は巻き戻し、「StarT」は停止の記号だ。
タイトル、記号がしっかりの曲の世界観を表していて、コンセプトアルバムとしての完成度も高い。

また、凛とした美しい中にも儚さを感じる、ちょっと冷たいメロディーの曲が多く、冬にぴったりのアルバムなのではないだろうか。
注目の若手バンドのアルバムなのでぜひアルバムを手に取ってもらいたい。

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1.● (Fanfare)

「Fanfare(ファンファーレ)」というタイトル通り、アルバムの開幕を高らかに告げる曲。
Aメロ、Bメロのみ、約2分の短い曲だが未来への希望を描く歌詞と冬の雲ひとつない気持ちがいい空が広がるようなメロディーが秀逸。
そして、流れるように2曲目「▷ (Saisei)」へとつながっていく。

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2.▷ (Saisei)

アルバムタイトルと同名のタイトルで、Mini Album「▷(Saisei)」のリード曲。Music Videoも公開されている。

「▷ (Saisei)」は歌詞にもあるように冬の凛と張り詰めたような夜明けごろを想起させるような美しすぎるメロディーが印象的な曲。
この曲はすごくいい。個人的にすごくツボに入っている。

タイトル「▷ (Saisei)」の通り、朝の目覚め=再生、新しく生まれ変わるということを歌う歌詞の世界観もいい。

名曲がまた誕生したと思う。ぜひ聞いてほしい。

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3.▷▷ (夜行)

アルバム収録曲の中でもっとも曲のBPMが速いのではないだろうか。
速い曲だけどノリがいいというわけではなくタイトル「夜行」の通り、時間軸は夜中1時〜3時くらいの真っ暗で静謐なイメージを想起させる暗めのメロディーになっている。

歌詞もタイトル通り。後悔や後ろ向きの気持ちを吐露するような内容で最後にわずかな希望を見たところで終わる。夜から朝にかけての時間帯に悶々と悩みそうな歌詞が好きならきっと気にいるだろう。

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4.| | (Frozen Time)

4曲目「| | (Frozen Time)」はこれまでと一転して優しく美しいメロディーとボーカル・武市のウィスパーボイスでの歌い方が印象的。
歌詞も別れ側の時間が止まったような絶妙な関係性を歌っている。だからこそ、一時停止の記号が振られているのだろう。

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5.◁◁ (瞼)

「◁◁ (瞼)」はアルバムの中ではもっとも重厚で切ないメロディーのバラード曲。曲名の読み方は「まぶた」。
別れた後を歌った悲しく切ない歌詞をじっくりと味わいたい。後悔の思いを描くからこそ、「瞼」には巻き戻しの記号が振られているのだろう。

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6.□ (StarT)

「StarT」というタイトルで停止の記号が振られている。

「StarT」の歌詞も別れた後の感情が描かれている。
ギターの美しいアルペジオに乗せて自分に言い聞かせるようにつぶやく歌い方をしている。ポエトリーリーディングに近いかな。
最終的には夜明けという歌詞が出てくるが不完全燃焼というか、タイトルの通り、新しい明日に向かいながらもどこか停止している感じがすごく伝わってくる。

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Mini Album「(Saisei)」通しての感想

アルバム前半の2曲は明るく、希望に溢れる曲で、3曲目から徐々に暗く、後ろ向きの歌詞になっていった。
曲に振られているリモコン記号の通り、後半になるにつれ一時停止、巻き戻し、停止というどちらかといえばマイナスの感情に使われそうなものがつけられている。

アルバムの曲順どおり聞くと希望から喪失感を覚えるアルバムだが、逆順に聞くと喪失から希望へのアルバムに変貌するのではないだろうか。
聞き方はそれぞれあると思うが、逆順にプレイリストを作って聞いてみるとまた別の世界観が浮かび上がってきて面白いと思う。

他にも聞きこむほどに色々な仕掛けが見えてきそうな実に凝ったアルバムになっている。

ぜひ、多くの人に届いてほしいと思った。みんな、聞こう!

では。

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