ASIAN KUNG-FU GENERATIONのトリビュートアルバム「AKG TRIBUTE」が3月末に発売になりました。このCDは若手バンド13組がカバーしたアジカンの名曲を1枚のアルバムにまとめたものです。amazarashiなど好きなバンドが多数参加していたので購入しました。
発売後から聞いていますが、いいアレンジを加えていて今でもたくさん聞く曲もあれば、あまり興味が惹かれなくてすぐに聞くのをやめてしまった曲がありましたので各曲の評価・レビュー、感想をまとめておきたいと思います。
- カバーアルバムに求めること
- AKG TRIBUTE 感想
- 1. ソラニン / yonige 評価:★★★☆☆
- 2. 未来の破片 / 04 Limited Sazabys 評価:★★★★★
- 3. Re:Re: / じん 評価:★★★★★
- 4. 夏の日、残像 / amazarashi 評価:★★★★★
- 5. リライト / Creepy Nuts [R-指定&DJ松永] 評価:★★★★★
- 6. 迷子犬と雨のビート / シナリオアート 評価:★☆☆☆☆
- 7. ブラックアウト / LILI LIMIT 評価:★★★★★
- 8. N.G.S / 夜の本気ダンス 評価:★☆☆☆☆
- 9. アンダースタンド / BLUE ENCOUNT 評価:★★☆☆☆
- 10. ムスタング / リーガルリリー 評価:★★★☆☆
- 11. 君の街まで / never young beach 評価:★★☆☆☆
- 12. 踵で愛を打ち鳴らせ / the chef cooks me 評価:★★★☆☆
- 13. 君という花 / KANA-BOON 評価:★☆☆☆☆
- まとめ
カバーアルバムに求めること
始めに書いておきたいのが、私がカバー曲を評価する基準。
個人的には、原曲(今回だとアジカンの曲)を活かしながら、カバーしているバンドの個性や特徴が出るような曲は高く評価します。
ただ、このさじ加減が難しく、アジカン原曲の良さが失われている場合、評価は下がります。他にも、ほぼ原曲のままでカラオケだと感じた場合も評価は高くなりません。
このような基準で評価をつけたいと思います。
原曲を活かしつつ個性が出せているバンドはこのカバーをきっかけに自身の楽曲にも興味が向いてくれるのでいい企画なのだとともいます。ただ、アレンジに失敗すると逆に興味を持たれなくなるという危険性も孕んでいますね。
これから書く感想は個人的な感覚なので好きなバンドが悪く書かれても気になしないでくださいね。
AKG TRIBUTE 感想
各曲、★五段階で評価します。最高は「★★★★★」、最低は「★☆☆☆☆」です。
下記サイトから全曲視聴もできますので、聞きながら感想を読んでもらうのが良いかと思います。
「AKG TRIBUTE」公式サイト
http://www.asiankung-fu.com/tribute/
1. ソラニン / yonige 評価:★★★☆☆
可もなく不可もなくという感じでした。映画「ソラニン」を観ていなければ女性ヴォーカル版の「ソラニン」は新鮮かもしれません。映画を見ていると、宮崎あおいがすでに映画で歌っているので女性ヴォーカルという強みがあまり活かせていないなという感じでした。
2. 未来の破片 / 04 Limited Sazabys 評価:★★★★★
今回の「AKG TRIBUTE」の中の大当たりの1曲。ロック曲「未来の破片」をフォーリミのフィールドであるパンクロックにアレンジしているのですが、メチャクチャかっこいい。こんな「未来の破片」全然アリ。今まで「未来の破片」は拳を掲げる縦ノリの曲だと思っていいましたが、モッシュしてダイブする曲に変貌していました。
パンクロックにアレンジされていますが、原曲の持つ荒々しさ、青臭さはそのままなので原曲ファンも納得の1曲じゃないでしょうか。
唯一、ヴォーカルの声が綺麗すぎるのがちょっと残念ですが、それは仕方がないかなと思います。今のゴッチが歌っても綺麗な声だろうし。昔はほんとガラガラでしたね。
3. Re:Re: / じん 評価:★★★★★
「カゲロウデイズ」で一世風靡した”じん”のカバー。正直にいうと全く期待していなかったのですが、これは謝らないといけません。この「Re:Re:」、メチャクチャかっこいいです。
アルバム「ソルファ」収録でシングルカットもされたアジカンのポップロックの名曲ですが、これを大胆にギターロックアレンジしています。これがまた合う。RADWIMPSぽいギターの音がカッコいいです。「Re:Re:」ってこんな風にも聞こえるんだという新たな発見がありました。
4. 夏の日、残像 / amazarashi 評価:★★★★★
私が「AKG TRIBUTE」を買うきっかけの曲。これはもはや視聴などする前から名曲になるであろうことが約束されているような組み合わせ。
案の定、リズム隊のアレンジとピアノを導入することで、完全にamazarashiの曲になっています。でもアジカンの原曲の良さは消えておらず、むしろ歌詞の良さが際立つような曲に昇華されています。
5. リライト / Creepy Nuts [R-指定&DJ松永] 評価:★★★★★
これの曲が一番評価しにくいんですがwww
まず、R-指定は今、深夜番組で大流行中の「フリースタイルダンジョン」でモンスターとして登場する凄腕ラッパーです。「リライト」をラップアレンジしているんです。今回唯一バンドではないアレンジです。正直、最初聞いたときはなんだこれって思ったのですが、よくよく聞いてみるとこの「リライト」すごくいいですよ。カッコいい。
サビだけ聞くと、ゴッチの歌にR-指定が合いの手を入れている部分(消して〜 モイチドッ リライトして〜 ソォナンドデモッ)がメインで聞こえるので「なんだよこれー、オリラジ藤森のチャラ男芸かよー」みたいに思ってしまうのですが、フルで聞くとすごい。
曲は「リライト」をサンプリングしているので知ってる音が後ろでなっていますし、歌詞もいいです。あと、視聴の20秒くらいからの部分がカッコよくないですか。
こういう「リライト」の解釈もありだなって思います。正直他に全然興味のわかないカバーも多かったのでこのR-指定&DJ松永のカバーというかリライトの再構成は高く評価したいです。
原曲とは全く異なりますが、バンド曲をラップのフィールドでしっかりと落とし込んで、彼らの良さが発揮されています。
この曲を聞いたせいで彼らのアルバム「助演男優賞」が聞きたくなりました。
6. 迷子犬と雨のビート / シナリオアート 評価:★☆☆☆☆
自分たちの色が出ていた点は良かった。ただすごくがっかりしたカバー。
個人的に「迷子犬と雨のビート」の一番のキモは、
埃だけ被って見つからない
誰の手にだって触れられない
ここを軽妙なリズムで歌い飛ばすところだと思うのですが、シナリオアートのカバーではここを静かに歌ってしまっていた。ここがすごく気にくわない。
この部分で気持ちを盛り上げながらサビに向かうのがこの曲の良さだと思うのでそれが感じられずものすごくがっかりしました。
7. ブラックアウト / LILI LIMIT 評価:★★★★★
これも大当たりの曲。LILI LIMITの良さでもある電子音を大胆にも取り入れましたがこれがビンゴ。
「ブラックアウト」の世界観にどんぴしゃり。原曲の良さを活かしながら新しい「ブラックアウト」を提供してくれています。素晴らしい。
LILI LIMITも「ブラックアウト」を聞いて俄然興味が湧いてきたバンドでした。
8. N.G.S / 夜の本気ダンス 評価:★☆☆☆☆
夜の本気ダンスの「N.G.S」はかなり、かなり期待していたのですが、残念ながら期待はずれでした。
イントロこそ夜ダンっぽいダンスビートだったのですがいざ歌い出すとカラオケでした。もっと夜ダンの魅力であるダンスナンバーっぽく仕上げれば良かったのにと思ってしまいました。
9. アンダースタンド / BLUE ENCOUNT 評価:★★☆☆☆
BLUE ENCOUNTは完全に選曲ミスではなかろうか。フォーリミに取られちゃいましたが「未来の破片」とか「遥か彼方」「サイレン」「ワールドアパート」「新しい世界」のようなシャウトを含むゴリゴリのロックナンバーをアレンジした方が彼らの魅力が出たのではないかと思いました。
「アンダースタンド」のカバーも悪くはなかったのですが、他に比べると普通という印象でした。
10. ムスタング / リーガルリリー 評価:★★★☆☆
女性ヴォーカル版「ムスタング」。儚さや切なさがより強調されていて良かったです。とはいえ、アレンジ自体は無難な感じだったので他の良アレンジの曲と比べると見劣りしちゃう感じですね。
11. 君の街まで / never young beach 評価:★★☆☆☆
ネバヤンは最もどんなアレンジにするのか読めなかったのですが、完全に自分たちのフィールドに寄せてきました。
さすがにnever young beachに寄せすぎて「君の街まで」の軽妙なポップ感が消えてしまっているのはダメ。よくなかった。
自分たちに寄せたアレンジをするなら「海岸通り」とかの方が合っていたんじゃないだろうか。
12. 踵で愛を打ち鳴らせ / the chef cooks me 評価:★★★☆☆
アレンジ難しそうな曲を選んだなーと思います。
私が「the chef cooks me」を知らなかったのでこのアレンジがいいのか悪いのか判断できないというのが正直な感想です。
悪くもないけど他の良かったやつに比べるとちょっと落ちるかなという印象でした。
13. 君という花 / KANA-BOON 評価:★☆☆☆☆
本人たちもアジカン好きを公言するKANA-BOON。彼らの「君という花」のカバーなのでかなり期待していたのですが、これも期待はずれ。
細かくアレンジは施されていますが、原曲をリスペクトしすぎてなのか大学生の上手いバンドがアジカンをカバーしてますみたいな感じの仕上がりでした。KANA-BOONらしさが全く伝わってこなかった。
いっそBPMをあげてノリノリの曲にしたら良かったのに。残念なカバーでした。
まとめ
13組の若手バンドが参加したアジカンのトリビュートアルバム「AKG TRIBUTE」の各曲の評価と感想をまとめました。
いろいろなカバー曲が収録されていましたが、
2. 未来の破片 / 04 Limited Sazabys
3. Re:Re: / じん
4. 夏の日、残像 / amazarashi
7. ブラックアウト / LILI LIMIT
この4曲はかなりオススメできる曲です。
またラップという全く畑が違うところから参加した
5. リライト / Creepy Nuts [R-指定&DJ松永]
も私は高く評価します。大胆なアレンジが素晴らしかった。
13曲中5曲も当たりがあったし、このアルバムがきっかけでLILI LIMIT、Creepy Nutsに興味も湧いたので個人的にはいいアルバムだったと思います。
視聴して気になる曲やアーティストがいればフルで聞いてみることをオススメします。アジカンのカバーがきっかけで彼らのオリジナル曲にもハマれたら最高ですね。
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