邦楽ロック案内人・アキラ(@akirarockj)です。
邦楽ロックのインディーズ界の大物バンド・BIGMAMAが2018年にユニバーサルミュージックからメジャーデビューが決定。
BIGMAMAはもっと大きな舞台に立って、たくさんの人に曲を届けるべきバンドです。
これまで以上に露出とか宣伝とかタイアップとか増えると思いますので、これをきっかけに売れて欲しいですね。
今回は、BIGMAMAの名曲とともに、彼らのインディーズの歩みを振り返ろうと思います。
BIGMAMA
ボーカル&ギター:金井政人
ギター&ボーカル:柿沼広也
ベース:安井英人
ドラム:リアド偉武
バイオリン:東出真緒
BIGMAMAはツインギター・ベース・ドラムのオーソドックスなバンド編成にバイオリンが加わった5人組バンド。
バンドサウンド+バイオリンというなかなか見ることがないバンド編成で、唯一無二のロックを奏でるバンドです。
2006年に1stミニアルバム「short films」をリリースして本格的にバンド活動を開始。2007年に現行メンバーになり、2017年で活動10周年を迎えました。
実はとてもキャリアの長いバンドです。
2000年代後半には大型ロックフェスに参戦するなど、人気・知名度が上昇、次に売れるバンドはBIGMAMAだと言われていました。
それでは、BIGMAMAの歴史を振り返りながら、メジャーデビュー後の展望や勝手な希望を書いておきたいと思います。
2000年代後半を代表するバンド・BIGMAMA
BIGMAMAはルーツはアメリカのパンクバンド・YELLOWCARDです。
YELLOWCARDはバンド+バイオリンという構成で疾走感のあるパンク・ロックにバイオリンが絡めた曲が特徴的なバンドです。
BIGMAMAは高校時代にYELLOWCARDのコピーバンドをやることがきっかけで活動を開始しました。
2007年にリリースされた超名盤の1st フルアルバム「Love and Leave」では英語詞でパンク・ロック、エモ+バイオリンというYELLOWCARDに近い音を鳴らしていました。
当時のパンク・ロック、エモ界隈は全盛期ELLEGARDENが活動を休止し、BUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPSあたりが勢力を拡大していた時期でした。
そのため、邦楽ロックバンドは基本的には上記のバンドと比較されて、消えていた頃になります。
エルレロス、バンプ人気うなぎのぼりでギターロックバンドやパンク・ロックバンドが売れにく時期だったんですね。
そして、2007年〜2009年ごろに新しく台頭してきたのが、
- ダンスロックの先駆け・サカナクション
- 轟音系ロック・9mm Parabellum Bullet
- 他に類を見ない唯一無二のバンド・マキシマム ザ ホルモン
- 超絶技巧と金切り声・凛として時雨
など、バンドサウンド+αをもつ個性的なバンドが続々と邦楽ロックシーンに名乗りを上げてきた時代です。
バンドサウンド+αという点でいうと、パンク・ロックにバイオリンの音が加わったBIGMAMAも個性が際立ったバンドでたちまち人気を獲得していきました。
アルバム「Love and Leave」に収録されている超名曲『the cookies crumbles』を聞いた邦楽ロックファンはこぞってBIGMAMAにハマったし、この曲が嫌いだっていう人に会ったことがないくらい勧めた人は気に入ってくれた。
僕としても人生を変えるくらいの出来事であるBUMP OF CHICKENの『天体観測』を聞いた時に近い衝撃を受けた。
人生が変わるほどの衝撃を受けた曲はこれまでに10曲もないでしょう。
そのうちの1曲が『the cookies crumbles』です。
BIGMAMA『the cookies crumbles』 Music Video
何度聞いてもやばい。
2000年代にこの曲を作ってるっていのがすごくないですか。
YELLOWCARDの存在が大きいっていうのもあるけど、最終的には日本人の好きなポップでキャッチーなサビに仕上げているのは間違いなくBIGMAMAの功績。
「BIGMAMAは絶対に売れる!」そう確信できる曲です。
売れそうで売れなかったBIGMAMA
『the cookies crumbles』が収録されている1stアルバム「Love and Leave」以降も精力的にライブや音源リリースを続けたBIGMAMA。
「Love and Leave」以降、徐々に変わっていったのが歌詞。
これまでは全編英語詞だったものが、2nd アルバム「Dowsing For The Future」から日本語詞が増えだします。
物語性のある歌詞やちょっとふざけた歌詞など邦楽ロックファンをトリコにする歌詞ばかりでしたね。
英語詞の時から歌詞の内容に定評がありましたが、日本語になるとそれがより顕著に伝わってきます。
2000年代後半に大物バンドがいないパンク・ロックシーンにバイオリンという独自性を提げて高みに駆け上がるバンド、それがBIGMAMAでした。
2008年にリリースされた2ndアルバム「Dowsing For The Future」のリード曲『Paper-craft』も超名曲。
1st Album「Love and Leave」以前からのファンの心を掴みつつ、オリジナリティあふれる日本語詞でバンプ、アジカン、ラッドが好きな歌詞重視派の邦楽ロックファンをどんどん取り込んでいきました。
BIGMAMA『Paper-craft』 Music Video
そして、2009年にリリースされた3rdアルバム「and yet, it moves 〜正しい地球の廻し方〜」でBIGMAMAは一度完成を迎えました。
パンクを基本線に、バンドサウンド+ヴァイオリンという唯一無二性、バンプのような物語性のある歌詞と完全に売れてるバンドのアルバムです。
3rdアルバム「and yet, it moves 〜正しい地球の廻し方〜」のリード曲『かくれんぼ』の完成度は凄すぎ。ぜひ聞いてみてください。
BIGMAMA『かくれんぼ』 Music Video
今思えば、このアルバムがメジャーデビューアルバムとかだったら、今のBIGMAMAの立ち位置とかだいぶ変わってたんだろうなって思う。
絶対メジャーデビューの話とかあったんだろうけど、きっと頑なに拒んでいたんだろうな。
そして、これ以降、ヴァイオリンがメンバーにいるバンドとしてクラシック曲を取り入れたり、ファンの間でも評価の高かった歌詞の物語性を重視した曲を作るようになる。
ただ、おそらくBIGMAMAを支えていたファンってそこもあるけど、彼らの曲で一番好きだったポイントはエモ・パンク系のロックにヴァイオリンが絡んだサウンドだったっと思う。なので、これ以降にリリースされる曲も悪くはないんだけど、私も正直言えば琴線に触れる曲が少なくなっていった。
BIGMAMA『Cinderella~計算高いシンデレラ』 Music Video
例えばこの曲とかヨハン・パッヘルベルの「カノン」を取り入れてる。悪くない。全然いい曲だし、私も好きな曲だし、ロックとの相性もすごい。
けどね、BIGMAMAに求めている曲はこういうのじゃない。これもいいけど、コレジャナイ感。
売れそうで売れなかった原因ってこの辺かなって思う。
まぁ、BIGMAMAが例えば「大きなドームとかでライブできるように売れたい!」とか考えていないのなら、自分たちの好きな曲をやればいいと思う。
でもリスナーとしてはやっぱりどんどん大きくなるBIGMAMAが見てみたかったし、うまく売れてたら今頃はフェスの一番大きなステージでトリを務めるくらいのバンドになっていたと思うんだよね。それがどうにも、もどかしい。
あと、売れてくれないとバンドって主に金銭面で解散しちゃったりするからね。だから好きなバンドこそ、どーんと売れて欲しい。
メジャーデビュー後のBIGMAMAに期待大
いろいろな路線を取り入れながらも、やっぱり作る曲はいいなって思えるものが多いし、武道館でライブできるぐらいの集客力があるってことは、人気もまだまだ健在。
ほんと、あとはほんと売り方と曲次第だと思うんだ。
去年リリースされた『SPECIALS』とか3rdアルバムの頃のBIGMAMAが帰って来たような感じの曲で嬉しさと懐かしさで胸がいっぱいになった。
BIGMAMA『SPECIALS』 Music Video
これだよこれ。この路線で行ってくれ。こういう曲を聞きたい。
そして、メジャーデビュー後はBIGMAMAの良さが多くの人に伝わるように宣伝、露出して欲しい。
これからのBIGMAMAの活躍に期待していきたいと思う。